[DIY]デリカD:5 オルタネーター脱着 ワンウェイクラッチプーリー交換

2021年3月7日

マイカーのデリカD:5(ガソリンCV5W)ですが、15万キロを超え、急に加速時にゴーゴー・ ダダダというような異音が出るようになりました。
特に、緩やかな加速で、エンジン回転数1200~1500rpm程度が一番大きく出ます。エンジンが温まるとやや聞こえにくくなりますが…。

過去の愛車で経験した補機ベルト回りの異音とよく似ていますが、オートテンショナーはリコールで変えてそんなに距離を走っていませんし、ベルト張りも正常でした。
このデリカD:5には、メーカー関係なく比較的良く壊れる”オルタネーターのワンウェイクラッチプーリー”がついていることに気づき、点検したところ、やはり固着していました。
(ワンウェイクラッチプーリーは、エンジン回転変動の脈動を抑えベルト鳴きやベルトの振動を抑える役割があるようです)

点検方法は、エンジン始動中にエンジンルームのオルタネータをのぞき込み、オルタネーターの中が動いていることを確認します。その状態で誰かにエンジンを切ってもらい、ベルトは回転が止まりますが、すこしの間、オルタネーターの中の部品だけが惰性で”回る”が正常ですが、ロックしているため、”回らない”場合は故障です。

15万キロ走行の為、リビルド品のオルタネーターへの交換が良いとも思いましたが、今回は費用抑制のため、プーリーのみの交換にします。(オルタは20万キロはもって欲しいなぁという期待もあります)

 

プーリーの部品番号は、1800A313 約6000円でディーラーや部品商、モノタロウから購入できます。
では、作業に入ります!
初めての作業でしたが、慎重にやって1時間半程度で完了しました。

オルタネーターの取り外し

まず、冷却水のサブタンクが邪魔なので、取り外します。
ネジ1本。ホースも外して邪魔にならないところにずらしておきます。

次に、バッテリーのマイナス端子を外して、絶対に接触しないように配線を縛る、端子をテープで覆うなどの処置をします。オルタネーターの取り外しでは、プラス側の配線を触るため、本当に注意が必要です。

補機ベルトを取り外します。
オートテンショナーですので、緩めた位置で固定してあげます。
5/8インチまたは16mmの工具が必要になります。力が掛かっているので、長めの工具がお勧め。


ボルト頭に工具をかけ、ゆるめ方向に回す(左回転)

棒状の物でロックします。今回は、六角レンチを差し込んでいます。狙うは穴

こんな感じで、エアコンコンプレッサーとオルタネータにベルトが掛かっていない程度にずらせばOK。もちろん、外してしまってもOKです。

次に、アンダーカバーとサイドカバーを取り外します。今回の一番の難所でした。
たくさんの樹脂クリップがありますが、経年劣化などでほぼ全部割れました…。
予備クリップを事前に用意することをお勧めします。


エアコンコンプレッサーと、オルタネーターにつながるカプラーを取り外します。
オルタネーターは車両上側からグレーの幅広いコネクターを探した方がわかりやすいです。
エアコンは、下から配線1本のもの。

オルタネーターのB端子線を外します。
配線のカバーをドライバーなどで優しく外し、中のナットを緩めると外すことができます。
事前にもう一度、バッテリーのマイナス端子が外れていることを確認することをお勧めします。

邪魔になりそうだったので、オルタネーター横のアイドラプーリーを外しておきます。
ここも、5/8インチか16mmサイズでした。

 

次はエアコンコンプレッサーの取り外しです。

3本のボルトを緩めると取り外すことができます。
本体はそれなりに重いので注意してください。
1枚に収まらないので、2アングルでどうぞ。

取り外したら、ホースや配管に負荷を掛けないように、紐か何かで車体と縛っておきます。
荷締めベルトを使いました。

いよいよオルタネーターです。
オルタネーター下側のナットを緩め、取り外します。

オルタネーター上側のボルトも緩めます。アース線共締めです。
落ちるといけないので、完全に外さずに軽く締めておきます。

オルタネーター下側のボルトのネジ部を軽く叩き、車両外側に飛び出させ、抜き取ります。
実は、ネジを抜かなくてもオルタは外せそうです、たぶんやった方が楽です。

あとは、下にもぐり、オルタを支えながら上側のボルトを緩め、下側が軽くハマっているので、グリグリ動かすと、オルタが徐々にずれて取り外せます。
あとは、部品のすき間を探して抜き取ります。今回は、オイルエレメントの向こう側から摘出しました。

取り外し後、プーリーを回してみましたが、やはりロック状態でワンウェイプーリーの役目をはたしていませんでした。

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プーリー交換

プーリー先端の樹脂キャップを取り外します。

今回使う特殊工具です。


真ん中の軸に、10mmのロングヘキサゴン、プーリー側に特殊工具をセットし
メガネレンチなどで回せるようにします。

中心の軸側は固定し、特殊工具側を緩め方向(左)に回転させ緩めたいのですが、
結構な力で締まっていますので、握力などをうまく使えると良いと思います。

外れました。新品プーリーとの比較です。
汚れくらいしか違いが判りません(笑)

プーリーの無いオルタネーターです。
ベルト摩耗紛のような汚れが結構付着していましたので、簡単に掃除をしておきました。

新品プーリーを装着します。
先ほどと逆に、締め方向に締め付けます。
外すとき硬かったように、結構強めに締め付けておきました。
やはり、新品プーリーを左右に回してやると、片側は惰性で回ろうとします。

樹脂キャップを取り付けます。

オルタネーターを取り付けます

オルタネーター下側、エンジン側の取付部は、なんとそのまま上に抜ける構造でした。

ということで、取付時には、オルタネーター下側のボルトは差し込み、かるくナットを掛けた状態にしてみます。

オルタネーターを車両下側から持ち上げ、先ほどの溝に乗せると、あっさり乗っかりました。
あとは、上側のボルトをアース線を挟み仮締め、B端子配線、コネクタの装着をしていきます。

あとは、本締めです。整備解説書によると締め付けトルクは以下の通りです。
・オルタネーターをエンジンと固定している上下のボルトは44±10Nm
・B端子配線ナットは12±2Nm

まあ、手感でしっかり締めておけばいいと思います。

上側のアース線の端子部は下向きで、赤線の間に入るようにすればいいようです。

アイドラプーリーを取り付けます。一応規定トルクは48±7Nです。

エアコンコンプレッサーを取り付けます。

締め付けトルクは、各23±6Nmですが、順番が決まっています。
車両外側の上、下、車両内側の順です。

配線類を確認します。
B端子の端子カバー、オルタネーターコネクタ、エアコンコンプレッサーコネクターです。

確認OKでしたら、ベルトを取り付けます。山ずれなどに注意です。

取り回しは写真の通り

よければ、オートテンショナーを緩め、ロックした棒を取り外します。
ベルトが張られます。

 

バッテリーのマイナス端子と、冷却水のサブタンクを戻します。

エンジンを始動し、チャージランプが消灯することを確認します。

 ⇒ 

最後に、カバー類を復元して終わりです。
クリップだけ新品できれいになりました(笑)

その後、試運転し、異音が解消したことを確認します。

ばっちりOK!でした。


今回は、プーリーのみの交換としましたが、走行距離が多い車などは、オルタネーター内部も消耗品であるブラシやベアリングも傷んでる可能性もあるため、新品のオルタネーターや、リビルド品(消耗品を新品交換しテストしたもの)に交換することをお勧めします。

デリカD:5 ガソリン車は、数種類のオルタネータが存在するようです。
自車に取り付けられたオルタネーターの部品番号を事前に調べることや、販売業者に適合チェックしてもらうことをお勧めします。(本体に部品番号の記載あります)
1800A053(09年式の私の車についていたもの)

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